海賊対策の必要性

海賊とは?

国際海事機関(IMO)や各国政府による多大な努力にも関わらず、海賊の脅威、及び、実際に海賊の攻撃や略奪の被害を受けた船舶数ともに、近年急激に増加しています。主にAMSSのような民間海上警備会社の活動が功を奏し、インド洋とアデン湾における海賊行為の成功率は減少していますが、その一方、現在も発生し続けている脅威が減少する兆しは見えません。また、西アフリカ・ギニア湾やマラッカ海峡・南シナ海などでの海賊攻撃の件数は現在も増え続けています。

残念ながら、海賊ビジネスは急速に成長しており、世界中に30-60の海賊訓練所が存在していると言われています。現代の海賊は、ソマリアのような、殆ど或いは全く近代的基幹施設を持たない貧困な開発途上国の沖で活動することが多くなっています。多くの海賊は、商船や大きな民間ヨット、特に高価な貨物を積載している船舶を標的にしています。それらの船舶と乗組員は、何ヶ月もの間、通常何百万ドルという身代金のために人質に取られます。最新の情報では、身代金目的で乗っ取られた船舶のために近年支払われた身代金は、平均すると5-1000万ドルでした。

海賊の攻撃について

海賊団の攻撃方法は、それぞれの経験値によって様々ですが、1つの共通点は、小型高速船(スキフとして知られる)を使用していることです。多くの場合、標的にした船舶に対し母船で比較的近距離まで接近し、母船からスキフが展開されます。しかし、沖合何百マイルの海域で母船に伴われないスキフが何隻も目撃されています。一回の商船攻撃で展開されるスキフは1隻から6隻です。

通常、攻撃自体は短時間で終わります。海賊の究極の目的は、すぐに降伏してくることを期待して、スキフで船舶を囲み中型から大型の武器を使用し船舶に発砲することで、船に脅威を与えることです。

海賊の船舶への接近を防げなかった場合、海賊たちは、容易に乗船できる船体最下部から乗船を試みてきます。彼らは乗船に成功すると、過激な暴力や脅しにより船を乗っ取ろうとします。海賊たちは薬物の影響下にある場合が多いと報告されており、彼らの行動は全く予測不可能で危険なものとなっています。

乗船した海賊は、乗組員を人質にとり、船内の監禁場所へ閉じ込めます。完全に船舶を支配下に置くと、通常は可能な限り迅速に、ソマリア海岸にあるエイルのような海賊の町へ向けて船を出航させます。そこで、彼らは、人質を上陸させるか、または、身代金が支払われるまでの間、船上に留まらせるかを決定します。